個人事業を法人化しようとした時、

法人成りのメリット・デメリットを経営上と税務上で考えてみます。

 

経営上のメリットというと

① 企業イメージが高まる

② 会計が明確になって、経営分析しやすい

③ 融資を受けやすい

④ 事業承継する場合、生前の株式譲渡と役員交代手続きで済む

などが考えられますね。

 

税務上のメリットは

① 役員報酬を損金算入でき、給与所得控除額を引いた残額が税金の対象になる

② 親族を従業員にすれば、適正な労働対価であれば、給与全額を損金算入できる

③ 経営者と生計を一にする親族が給与を受け取る場合、所得の要件の範囲内で配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除を受けることができる

④ 経営者と生計を一にする親族従業員に支払う退職金は、適正な金額なら損金算入できる。役員の場合は、一定の制限があります。

⑤ 経営者を被保険者とする生命保険の保険料は、一定の要件を満たせば損金算入できる

⑥ 青色申告の場合、事業上生じた欠損金を9年間繰越しできる

 

一方、税務上のデメリットは

① 交際費は原則損金算入されない

② 赤字でも、資本金等の額や従業員数に応じて、最低7万円の法人住民税の均等割が課税される

 

では、法人成りのコストをみてみましょうか。

 

会社設立時の費用(登録免許税、定款認証手数料など)や設立後にも定期的に役員変更登記をするので登録免許税などの費用がかかります。

 

また、個人事業の場合は従業員5名未満なら社会保険の加入義務はありませんが、法人は、従業員数に関係なく社会保険の加入義務があり社会保険料を負担します。

 

法人成りの目安、タイミングは、売上高800万円とか1,000万円とか言われますが、個人事業を法人化し、会社経営にチャレンジすることで、個人事業より経験の幅が格段に広がることも付け加えておきます。